無申告と税務調査
令和2(2020)年からメルカリやヤフオクや暗号資産の無申告がバレやすくなりました
結論
・令和2(2020)年からメルカリやヤフオクや暗号資産の無申告がバレやすくなりました
・令和元(2019)年以前は国税がネットプラットフォーム事業者に対して情報提供を求める根拠規定が無かったが、その根拠規定が定められました。
・令和元(2019)年7月からは全国で200人体制でシェアリングエコノミー等新分野の情報収集を行っているようです。
・今後はこれまで以上に無申告案件の調査が増えると考えられます。
以下詳細を記述します。
国税はメルカリやヤフオクのことをシェアリングエコノミー等新分野というややこしい名前で呼んでいます
メルカリやヤフオクはシェアリングエコノミーという分野に属するようです。シェアリングエコノミー定義とは、インターネットを介して個人と個人・企業等との間で活用可能な資産(場所・モノ・スキル等)をシェア(売買・貸し借り等)することで生まれる新しい経済の形、であるようです。
シェアリングエコノミーとは具体的には以下のような取引を指すようです。
1, 空間のシェア=会議室・駐車場・民泊
2, モノのシェア=フリーマッケートサービス(メルカリ、ヤフオク)・レンタルサービス
3, スキルのシェア=家事代行・育児・知識・料理・介護・教育・観光
4, 移動のシェア=相乗り・シェアサイクル・カーシェア
5, お金のシェア=クラウドファンディング
国税としては、ヤフオクやメルカリのみならず、インターネットを介する取引についての無申告や申告漏れを把握したいところから、すべてを総称するシェアリングエコノミー等新分野という名称で、税務調査において分類しているようです。
令和元(2019)年以前は国税がネットプラットフォーム事業者に対して情報提供を求める根拠規定がありませんでした
世間一般のイメージとしては、国税は金融機関調査(銀行調査)で勝手に納税者の通帳を取得することができる、など強力な権限を有しているイメージです。しかし実は、改正前国税通則法74条の12第6項は、国税庁等の当該職員は、官公署又は政府関係機関に、調査に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧等の協力を求めることができることを規定していたが、一般の事業者に対して協力を求めることができることまでは規定していませんでした。したがって、顧客とのトラブルを懸念して,税務当局からの情報提供の要請に事業者が応じないケースが生じている、との指摘がありました。
そこで国税通則法において一般の事業者に対して協力を求めることができる法律の整備が実行されました。なお、暗号資産(仮想通貨)取引はシェアリングエコノミー等新分野には該当しませんが、ネット取引事業者に該当しますので、暗号資産(仮想通貨)取引事業者も税務署に協力しなければならなくなります。
令和元(2019)年7月からは全国で200人体制でシェアリングエコノミー等新分野の情報収集を行っているようです
・令和元(2019)年6月までの国税の対応
2000年頃からネットが爆発的に普及し、それに対応すべく国税庁においては、全国税局・沖縄国税事務所に設置している「電⼦商取引専門調査チーム」を中心に、いわゆる電⼦商取引に関する情報収集・分析等に取り組んできた(平成29事務年度情報収集件数:60万件程度)。しかしその爆発的普及に追いつくためにさらに体制を強化しようとしました。
・令和元(2019)年7月以後の国税の対応
シェアリングエコノミー等の新たな分野の経済活動にも的確に対応するため、令和元(2019)年7月からは、「電⼦商取引専門調査チーム及びプロジェクトチーム(関係部署の指名された職員で構成される)」を全ての国税局・沖縄国税事務所に設置した(全国で200人規模を予定)
以上から、全国の「国税局」において総勢200名程度の「電⼦商取引専門調査チーム及びプロジェクトチーム」が目を光らせているようです。
まとめ
これまで国税は、メルカリやヤフオクや暗号資産取引業者については気を使いながら、御願いベースで税務調査の協力を御願いしてきました。しかし近年においては当該事業者について情報提供を強く要求できるようになりました。したがって、今後はこれまで以上にネット取引に関する無申告の税務調査が強化していくと考えます。
隠ぺい仮装や無申告を指摘された納税者の税務調査中の後出し簿外経費が不可に
結論
・事前自主修正申告(事前自主期限後申告)をせずに隠蔽仮装状態又は無申告状態のまま税務調査を受けた納税者は、原則的に間接経費の計上が認められず、例外的に証拠能力の高い資料を提示して認められた場合にのみ間接経費の計上が認められるという通常では考えられない不利な状況となることが明文化されました。これが後出し簿外経費不可と呼ばれています。
・学説等によれば、後出し簿外経費については納税者側に立証責任があるとされていたものの、実務では税務署が税務調査において大量に提出された後出し経費を精査するという理不尽を税務署が負っていたようです。
・R5年(2023年)分以後については、事前自主修正申告(事前自主期限後申告)をせずに隠蔽仮装状態又は無申告状態のまま税務調査を受けた納税者の経費主張はまず拒否されることとなります。
・当該規定に該当する場合は隠蔽仮装行為に関わる経費だけでなくそのた申告済みの経費についても適用があり、原則的に疑われることとなります。
・反対を言えば、事前自主修正申告(事前自主期限後申告)をすれば当該規定の適用はない、となります。
・適用時期は、個人事業主については令和5年(2023年)分以後の所得税について適用され、法人については令和5年(2023年)1月1日以後開始する事業年度について適用されます。
以下で詳細を記述します。
後出し簿外経費不可とは
後出し簿外経費不可という文言は正式な用語ではないと思われます。
・国税庁ホームページの法人税法において「証拠書類のない簿外経費についての損金不算入措置」という文言は見つけることができました。(国税庁ホームページ:令和4年6月24日付課法2-14ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明)
・国税庁のホームページの所得税法においては「証拠書類のない簿外経費についての必要経費不算入措置」という文言は見つけることはできませんでした。(2025年8月8日現在)
・財務省トップページ 税制 毎年度の税制改正 税制改正の概要 令和4年度 令和4年度 税制改正の解説 所得税法等の改正 詳解、において「証拠書類のない簿外経費」という文言が見受けられました(財務省トップページ 税制 毎年度の税制改正 税制改正の概要 令和4年度 令和4年度 税制改正の解説 所得税法等の改正 詳解)
・財務省トップページ 税制 毎年度の税制改正 税制改正の概要 令和4年度 令和4年度 税制改正の解説 法人税法等の改正 詳解、において「証拠書類のない簿外経費」という文言が見受けられました(財務省トップページ 税制 毎年度の税制改正 税制改正の概要 令和4年度 令和4年度 税制改正の解説 法人税法等の改正 詳解)
以上を総合勘案すると、
証拠書類のない簿外経費の必要経費不算入・損金不算入措置の規定について、誰かが「後出し経費不可」と言い出し、それが広まったのではないか
と推測されます。
以下においては、証拠書類のない簿外経費の必要経費不算入・損金不算入措置、後出し経費不可、の文言のいずれも使用いたします。
財務省資料において当該改正の正式名称が記述されてます
・令和4年度 税制改正の解説 所得税法等の改正 詳解においては、「五 家事関連費等の必要経費不算入等の改正」とあります。
・令和4年度 税制改正の解説 法人税法等の改正 詳解においては、「二 不正行為等に係る費用等の損金不算入制度の改正」とあります。
根拠規定
根拠規定:法人税法55条3項
3 内国法人が、隠蔽仮装行為に基づき確定申告書(その申告に係る法人税についての調査があつたことにより当該法人税について国税通則法第25条(決定)の規定による決定があるべきことを予知して提出された期限後申告書を除く。以下この項において同じ。)を提出しており、又は確定申告書を提出していなかつた場合には、これらの確定申告書に係る事業年度の第22条第3項第1号(各事業年度の所得の金額の計算の通則)に掲げる原価の額(資産の販売又は譲渡における当該資産の取得に直接に要した額及び資産の引渡しを要する役務の提供における当該資産の取得に直接に要した額として政令で定める額を除く。)、同項第2号に掲げる費用の額及び同項第3号に掲げる損失の額(その内国法人が当該事業年度の確定申告書を提出していた場合には、これらの額のうち、その提出した当該確定申告書に記載した第74条第1項第1号(確定申告)に掲げる金額又は当該確定申告書に係る修正申告書(その申告に係る法人税についての調査があつたことにより当該法人税について更正があるべきことを予知した後に提出された修正申告書を除く。)に記載した同法第19条第4項第1号(修正申告)に掲げる課税標準等の計算の基礎とされていた金額を除く。)は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。ただし、次に掲げる場合に該当する当該原価の額、費用の額又は損失の額については、この限りでない。
一 次に掲げるものにより当該原価の額、費用の額又は損失の額の基因となる取引が行われたこと及びこれらの額が明らかである場合(災害その他やむを得ない事情により、当該取引に係るイに掲げる帳簿書類の保存をすることができなかつたことをその内国法人において証明した場合を含む。)
イ その内国法人が第126条第1項(青色申告法人の帳簿書類)又は第150条の2第1項(帳簿書類の備付け等)に規定する財務省令で定めるところにより保存する帳簿書類
ロ イに掲げるもののほか、その内国法人がその納税地その他の財務省令で定める場所に保存する帳簿書類その他の物件
二 前号イ又はロに掲げるものにより、当該原価の額、費用の額又は損失の額の基因となる取引の相手方が明らかである場合その他当該取引が行われたことが明らかであり、又は推測される場合(同号に掲げる場合を除く。)であつて、当該相手方に対する調査その他の方法により税務署長が、当該取引が行われ、これらの額が生じたと認める場合
根拠規定:所得税法45条3項
3 その年において不動産所得、事業所得若しくは山林所得を生ずべき業務を行う居住者又はその年において雑所得を生ずべき業務を行う居住者でその年の前々年分の当該雑所得を生ずべき業務に係る収入金額が300万円を超えるものが、隠蔽仮装行為(その所得の金額又は所得税の額の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装することをいう。)に基づき確定申告書(その申告に係る所得税についての調査があつたことにより当該所得税について決定があるべきことを予知して提出された期限後申告書を除く。以下この項において同じ。)を提出しており、又は確定申告書を提出していなかつた場合には、これらの確定申告書に係る年分のこれらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額(資産の販売又は譲渡における当該資産の取得に直接に要した額及び資産の引渡しを要する役務の提供における当該資産の取得に直接に要した額として政令で定める額を除く。以下この項において「売上原価の額」という。)及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額(その居住者がその年分の確定申告書を提出していた場合には、これらの額のうち、その提出した当該確定申告書に記載した第120条第1項第1号(確定所得申告)に掲げる金額又は当該確定申告書に係る修正申告書(その申告に係る所得税についての調査があつたことにより当該所得税について更正があるべきことを予知した後に提出された修正申告書を除く。)に記載した国税通則法第19条第4項第1号(修正申告)に掲げる課税標準等の計算の基礎とされていた金額を除く。)は、その者の各年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額及び雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。ただし、次に掲げる場合に該当する当該売上原価の額又は費用の額については、この限りでない。
一 次に掲げるものにより当該売上原価の額又は費用の額の基因となる取引が行われたこと及びこれらの額が明らかである場合(災害その他やむを得ない事情により、当該取引に係るイに掲げる帳簿書類の保存をすることができなかつたことをその居住者において証明した場合を含む。)
イ その居住者が第148条第1項(青色申告者の帳簿書類)又は第232条第1項若しくは第2項(事業所得等を有する者の帳簿書類の備付け等)に規定する財務省令で定めるところにより保存する帳簿書類
ロ イに掲げるもののほか、その居住者がその住所地その他の財務省令で定める場所に保存する帳簿書類その他の物件
二 前号イ又はロに掲げるものにより、当該売上原価の額又は費用の額の基因となる取引の相手方が明らかである場合その他当該取引が行われたことが明らかであり、又は推測される場合(同号に掲げる場合を除く。)であつて、当該相手方に対する調査その他の方法により税務署長が、当該取引が行われ、これらの額が生じたと認める場合
適用時期
・個人事業主については令和5年(2023年)分以後の所得税について適用されます。
・法人については令和5年(2023年)1月1日以後開始する事業年度について適用されます。
財務省の解説
令和4年度 税制改正の解説 所得税法等の改正 詳解p82-83より
・所得課税においては、裁判例によって示されているように「所得金額」や「必要経費の存否及び額」については、原則として課税当局の側に立証責任があるとしつつ、「簿外経費」については、納税者側に立証責任があると解する場合が多いとされています。しかしながら、実際の事案として、所得税の税務調査において家事関連費の計上を発見した後に、納税者が簿外経費の存在を後から主張し、課税当局が多大な事務量を投入してその簿外経費が全て存在しないことを立証して更正に至ったという悪質な事案があります。
・これを踏まえ、納税者が事実の仮装・隠蔽がある年分又は無申告の年分において主張する簿外経費の存在が帳簿書類等から明らかでなく、課税当局による反面調査等によってもその簿外経費の基因となる取引が行われたと認められない場合には、その簿外経費は必要経費に算入しないこととする措置を講ずることとされました。
・ また、(期限内申告済みの)場合であっても、隠蔽仮装行為に関連する額のみが本措置による必要経費不算入の対象となるのではなく、隠蔽仮装行為に関連しないものも含めてその年分の全て(直接費用、販売費、一般管理費等)の額が本措置による必要経費不算入の対象となります。
財務省の解説のさらに要点解説
・R5年(2023年)分より前であっても、簿外経費については納税者に立証責任があるはずであった。しかし実務上は、税務調査において納税者が後出しで証拠能力の薄い、根拠の乏しい経費を主張してきた場合でも税務署は拒否できずに精査する時間コストを強いられてきた。
・R5年(2023年)分以後においては、隠蔽仮装納税者や無申告納税者といった不誠実な納税者に対しては簿外経費を税務署が拒否できる法整備がされた。
・当該規定は、隠蔽仮装に関連しない経費にも影響を及ぼす規定である。
根拠規定の要約解説
根拠規定を要約します。
・対象者は事前自主修正期限後申告せずに税務調査を受けた個人事業主及び法人は、原則として経費計上が認められません。
・しかし、(原則として経費を認めないことは厳しすぎるため)仕入経費に関する帳簿資料が存在する場合には計上を認めますが、後からとってつけたような手書きの伝票による経費は基本的には認めないし、当該経費計上の可否判定のための反面調査の手間コストはかけない、と税務署が主張できるようになった。
税法における立証責任について
申告納税方式においては、納税者が期限内申告をしていれば原則的にまずは全面的に納税者を信頼し、その申告内容が尊重されます。しかし意図的な過少申告者や無申告者は、まず信頼されない、まず尊重されないということになります。
代表的な事例を想定:相手方からの請求書や領収書が存在しないが確かに存在した外注費を納税者自らが作成した手書きの伝票で外注費の存在を主張する、場合など
〇事例1:ある売上を除外していたが、それに伴う外注費が存在しているが当該外注費の証拠能力が乏しい過少申告者Aに調査通知があった場合
・税務調査前に事前自主修正申告せずに調査を受けると、売上除外は売上計上を認定されるが、外注費は否認される、という可能性が高まります。
・税務調査前に事前自主修正申告すれば、売上計上と共に証拠能力が乏しい外注費の存在についてもまずは尊重されることになります。
〇事例2:帳簿資料がほとんど残っていない無申告者Bに調査通知があった場合
・税務調査前に事前自主期限後申告せずに調査を受けると、売上経費ともに税務調査官主導で決定していき、納税者の意見は尊重されなくなります。
・税務調査前に、記憶やメールやメモ帳や手帳から推測される売上や経費により金額を算出し、事前自主期限後申告すれば、当該申告書はまずは尊重されることになります。
証拠書類のない簿外経費の必要経費不算入・損金不算入措置改正の経緯
証拠書類のない簿外経費の必要経費不算入・損金不算入措置の改正の経緯としては、
・隠蔽仮装をしていた納税者の簿外経費の主張として事後的に提出された書類の確認に多大な事務量を要した事例
・無記帳・無申告の者に対する推計課税事案
のような事例が、かつてより問題視されていたためです
簿外経費の主張として事後的に提出された書類の確認に多大な事務量を要した事例(第6回 納税環境整備に関する専門家会合(2021年8月10日)資料一覧)
【事案の概要】
●調査対象者は翻訳業務を行う個人事業者。調査の過程で、多額の家事関連費(自宅や親族宅の家賃、飲食代、衣料品代等が数億円)が費用計上されていることを把握。
●上記問題点を指摘したところ、計上漏れ経費がある旨の申立てがあった。後日、家事関連費とほぼ同額の外注費として1,000枚超の領収書(支払先数百名分)が提出され、全て現金手渡しでの支払いであったと主張。領収書記載の外注先は、大半が海外居住者であり、国内居住者の大部分についても居住実態が確認できない者だった。
●調査官は、上記領収書の解明及び居住等調査に加え、反面調査等により事実関係を確認した結果、領収書記載の取引が虚偽であると認定。必要経費として認容しないこととして更正処分を行ったが、上記の調査に当たっては約1,000人日の事務量を投下。
【問題点】
●後出し的な簿外経費の主張であっても、当局側が多大な事務量を投下してその真偽を確認しなければならない。特に現金払いの簿外経費については、銀行取引明細等による確認ができないため、支払の事実を確認する負担が大幅に増加する。
連年事業を行うも無記帳・無申告の者に対する推計課税事案(第6回 納税環境整備に関する専門家会合(2021年8月10日)資料一覧)
【事案の概要】
●調査対象者は防水工事を営む個人事業者。明らかに事業を営んでいるが連年無申告。
●再三にわたって連絡票を差し置いたにもかかわらず、納税者から一切連絡がなかったため、近隣の銀行や取引先に対する反面調査を実施。
●反面調査により把握した売上金額(実額)と、同業者の経費率から算出した必要経費を用いて所得金額を推計し、決定処分を行った。【調査期間:6ヵ月、重加算税の賦課なし。】
【問題点】
●「無記帳の者」、「帳簿書類の保存(提示)をしない者」であっても、推計課税により、同業者と同程度の必要経費が認められる。
● 一般の事業者が果たしている、「記帳」や「帳簿書類の保存(提示)」の義務を果たさなくても「仮装隠蔽」には当たらないことから、重加算税(ペナルティ)を受けない。
影響大と推測される業種(弊所独自の推測)
・資産を仕入て販売譲渡を行う、卸売業、小売業、製造業を除くサービス業が全般的に影響が大きいと推測されます。
・外注費が多額と見込まれる、建設業や一人親方の大工などが全般的に影響が大きいと推測されます。
・ユーチューバーは、直接経費が少ないので影響が大きいと推測されます。
影響大と推測される業種(事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種を参考に)
・経営コンサルタント←直接仕入経費が少ないサービス業と解されます。
・タイル工事←外注費が高額と解されます。
・冷暖房設備工事←外注費が高額と解されます。
・バー←ヘルプホスト、ヘルプホステスなどの外注費が高額と解されます。
・電気通信工事←外注費が高額と解されます。
・システムエンジニア ←直接仕入経費が少なく、外注費が高額と解されます。
・商工業デザイナー←直接仕入経費が少なく、外注費が高額と解されます。
・不動産代理仲介←直接仕入経費が少ないサービス業と解されます。
・外構工事←外注費が高額と解されます。
・型枠工事←外注費が高額と解されます。
・一般貨物自動車運送←直接仕入経費が少ないと解されます。
影響大と推測される業種(法人税、不正発見割合の高い10業種を参考に)
・土木工事←外注費が高額と解されます。
・職別土木建築工事←外注費が高額と解されます。
・一般土木建築工事←外注費が高額と解されます。
・管工事←外注費が高額と解されます。
・その他の道路貨物輸送←直接仕入経費が少ないと解されます。
・バー・クラブ ←ヘルプホスト、ヘルプホステスなどの外注費が高額と解されます
影響大と推測される業種(法人税、不正1件当たりの不正所得金額の大きな10業種を参考に)
・運輸附帯サービス←直接仕入経費が少ないと解されます。
・その他の対事業所サービス←直接仕入経費が少ないサービス業と解されます。
・その他の不動産←直接仕入経費が少ないサービス業と解されます。
・情報サービス、興信所←直接仕入経費が少ないサービス業と解されます。
当該規定を回避するための策
事前自主修正期限後申告をすれば当該規定の適用はない、となります。
まとめ
・隠ぺい仮装を行った者は、重加算税が賦課されることに加えて、後出し簿外経費も認められなくなりました。
・無申告者が重加算税が課税されにくいことに対する批判の影響もあり、無申告者に対する厳罰化として後出し簿外経費が認められなくなりました。
田中信男税理士事務所は、「過去を責めない」という理念のもと、税務調査という困難に直面した納税者の皆様が、安心して事業を継続できるよう、最後の砦として全力でサポートいたします。適切な対策を講じることで、税務調査への備えが整い、不安の軽減や事業運営の安定につながる可能性があります。ご不明な点やお困りの際は、当事務所までご相談ください。
パパ活の無申告税務調査が心配な方へ
パパ活から得る収入が何に属するのか明確な結論は無いが、所得税又は贈与税に該当する可能性があります
現在においてパパ活により得た収入について確定申告が必要なのか、そもそも何税に該当するのか、について国税庁の公式の見解はありません。弊所における独自の見解は下記となります。
| 広義のパパ活 | ギャラ飲み | 時間的制約、サービス提供内容などが、口頭もしくは書面による契約が結ばれており、それに伴う現金等の受け渡しが行われている可能性が高い | 所得税に該当する可能性が高いと思われる |
| 狭義のパパ活 | 特に契約に基づかずに、不定期で会うなどして現金等の受け渡しが行われている可能性が高い | 贈与税に該当する可能性が高いと思われる |
(弊所の独自の見解)
2022年11月頃、マッチングアプリを介したギャラ飲みで得た4,000万円の「所得」を申告しなかった女性が加算税を含む1,100万円の追徴課税を受けたと報道がありました。
脱税事件は、国税不服審判所裁決事例や裁判例とならなければ詳細を知ることはできません。今回はあくまで報道による情報のみとなります。そこで報道の文言を厳格に解釈しますと「所得」という単語が使用されています。贈与税に所得という言葉は使用しません。つまり本件は、所得税本税及び加算税(無申告加算税か過少申告加算税か重加算税かは不明)が追徴課税されたということになり、ギャラ飲み=所得税、の可能性が高まったこととなります。
所得税に属するパパ活を行った方の確定申告について
所得税に属するパパ活を行った方の確定申告の作成手順について
・売上についてパパ活で得た収入を暦年(1~12月)で集計する。
・費用、経費についてパパ活のために支出したものを暦年(1~12月)で集計する。例えば、マッチングアプリへの支払い手数料、パパ活の活動の場へ行くための交通費、パパ活のための衣装代(パパ活に使用する割合部分のみ)、パパ活のための通信費(パパ活に使用する割合部分のみ)があげられるでしょう。
しかし恐らく、売上収入に比べて経費は少なく、所得が多額となるケースがほとんどでしょう。
所得税に属するパパ活は事業所得か雑所得か
・パパ活の収入のみで生計を立てている→事業所得
・平日昼間の本業勤務以外の時間で活動している→パパ活に関する帳簿を作成していれば原則として事業所得、帳簿の作成が無ければ雑所得と判断される可能性が高くなった(令和4年の通達制定の影響)
令和4年の通達により、帳簿の作成の有無で事業所得と雑所得の区分の判断の目安が設定されました。
パパ活による収入を確定申告する場合にその存在を勤務先の住民税特別徴収でバレないための方法
・確定申告書Bの第2表における住民税に関する事項において「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」について「自分で納付」に丸する、普通徴収を選択することが有効とされています。
・しかし平成29年度より住民税は特別徴収が原則化されているため自治体によっては、普通徴収が認められない場合もあります。また役所の作業する方も人間ですので誤って合算して特別徴収される可能性もあるでしょう。
現在パパ活の収入について無申告であるが、税務署から調査通知がまだない方について、今後税務署から何かアクションがあるのかどうかは不明です
・人からお金をもらうという現象→そのお金をくれた人が扶養者等の家族である場合→扶養、生活費という大きな非課税の枠組みが存在するので、そもそも非課税となり申告義務事態が発生しないケースが多い→しかし社会通念を超える生活費は贈与認定されるので贈与税の申告が必要となります。
・人からお金をもらうという現象→そのお金をくれた人が他人である場合→他人が扶養者であるケースは稀であるため、所得税の確定申告又は贈与税の確定申告が必要と思われます。
なお、税務署が気づく、気づかないについては何とも申し上げることはできません。ただ、事実として国税庁には、課税・徴収漏れに関する情報の提供、という脱税をリークするフォームが存在します。また、マッチングアプリ会社に対する税務調査の反面調査による可能性も考えられます。
しかし現在パパ活の収入について無申告であるが税務署から調査通知があった方については恐らくその内容はパパ活収入に関するものである可能性が高いため、調査日の初日の前日までに期限後申告したほうがよいかと思われます。
・所得税課からの調査通知→所得税申告の必要性あり
・資産税課からの調査通知→贈与税申告の必要性あり
以上、弊所による見解を説明させていただきました。
田中信男税理士事務所は、「過去を責めない」という理念のもと、税務調査という困難に直面した納税者の皆様が、安心して事業を継続できるよう、最後の砦として全力でサポートいたします。適切な対策を講じることで、税務調査への備えが整い、不安の軽減や事業運営の安定につながる可能性があります。ご不明な点やお困りの際は、当事務所までご相談ください。
一定期間繰り返し行われる無申告行為に対する無申告加算税等の加重措置
結論
・個人事業主の所得税については令和5年(2023年)1月1日から、法人税地方法人税については令和5年(2023年)10月決算月分(10月決算の申告期限である令和5年12月31日が日曜日であることから法定申告期限が令和6年1月1日となるため)から、3年(3期)以上連続無申告の場合、3年(3期)目の無申告加算税が加重される改正となりました。消費税については、課税期間が1年間の場合には、申告所得税、法人税・地⽅法人税と同様となります。
・×1年、×2年、×3年、×4年、×5年、と5年度連続で無申告の場合は、×3年、×4年、×5年の無申告加算税が加重されます(参考文献有り)
・×1年(偽りその他不正の行為を伴う無申告)、×2年(偽りその他不正の行為を伴う無申告)、×3年、×4年、×5年、×6年、×7年、と7年前及び6年前に偽りその他不正の行為を伴う無申告かつ7年度連続で無申告の場合は、×3年、×4年、×5年、×6年、×7年の無申告加算税が加重されると解されます(参考文献が無いため現状は弊所の独自の解釈)
・当該改正は「調査通知後かつ調査開始前の期限後申告」でも回避不可能の改正となります。
・つまり、連続無申告者は、税務署からの連絡がなくても自発的に申告納税せよ、という国税の意図を感じます。
以下で詳細を記述します。
当該改正の内容
財務省 令和5年度 税制改正の解説 国税通則法等の改正 p619の参考図表②.png)
(図1)財務省 令和5年度 税制改正の解説 国税通則法等の改正 p619の参考図表②
当該制度の背景
・類似の制度として「短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠蔽が行われた場合の加算税の加重措置」が存在するが、5年間で2度調査を受けることが前提であり、例えば新規開業設立の者の初めての税務調査の場合の連続無申告は対象外であった。
・連続無申告という悪質性にも関わらず回数にかかわらず無申告加算税の税率が一律であるため不公平であった。
・そこで3年(3期)以上連続無申告の場合は、3年(3期)目以降は加重されるという改正となった。
となります。
財務省の資料によれば下記となります。
財務省 令和5年度 税制改正の解説 国税通則法等の改正p621-p622より、
現行、過去5 年以内に無申告加算税又は重加算税を課された者について、再び調査を受けて無申告又は仮装・隠蔽に基づく申告等が行われた場合への対応として、短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠蔽が行われた場合の無申告加算税等の加重措置が整備されていますが、
・無申告行為を繰り返し行う者について一度に是正をする場合には適用がないことや、
・調査通知があったことを契機として、期限後申告書を提出すれば、この加重措置の適用を回避することが可能であることから、
意図的に無申告行為を繰り返す者に対する牽制効果は限定的であり、繰り返し行われる悪質な無申告行為について未然に抑止するための更に実効的な措置の整備が課題とされていました。
財務省 令和5年度 税制改正の解説 国税通則法等の改正p623より
・本措置が悪質な無申告行為を繰り返す者に対する牽制効果を高める観点から行うものであり、調査による更正又は決定の予知前において調査通知がある前にされる自発的な修正申告書又は期限後申告書の提出についてまで効果を及ぼす必要はないと考えられるため、本措置の対象外とされています。
・他方、修正申告書又は期限後申告書の提出が調査通知後にされた場合に課される無申告加算税については、調査通知がなければ、自発的な申告が行われていない可能性が高く、一定の悪質性が認められることから、本措置の対象とされています。
基本的な仕組みの解説
・3年度連続で無申告の場合、3年度目の無申告加算税(無申告重加算税)に10%加重されます。
・当該制度は、調査通知後かつ調査開始前の期限後申告(更正の予知無しの期限後申告)であっても回避できません。
・当該制度を回避するためには、調査「通知前」の無申告解消が条件となります。完全な自主的な無申告解消が求められます。
無申告税務調査=5年と解されるが5年連続無申告の場合はどうなるのか(参考文献有りによる結論有り)
結論
結論としては、
×1年、×2年、×3年、×4年、×5年、と5年度連続で無申告の場合は、3年(3期)目、4年(4期)目、5年(5期)目の無申告加算税が加重されます
根拠
近畿税理士会2023年6月22日(本会ビデオ配信研修)令和5年度 改正税法研修会【所得税】に言及の記述がありました。なお、当該資料は税理士向けの近畿税理士会の研修資料であり、一般的には公開されておりません。
近畿税理士会2023年6月22日(本会ビデオ配信研修)令和5年度 改正税法研修会【所得税】p11より、
※ 例えば、X1年からX5年分を調査する場合は、X3からX5年分が今回の加重措置の対象。
では、調査が7年の場合はどうなるのでしょうか
調査が7年の場合の7年連続無申告の場合はどうなるのか(参考文献無し、現状は弊所の独自の解釈)
・×1年(偽りその他不正の行為を伴う無申告)、×2年(偽りその他不正の行為を伴う無申告)、×3年、×4年、×5年、×6年、×7年、と7年前及び6年前に偽りその他不正の行為を伴う無申告かつ7年度連続で無申告の場合は、×3年、×4年、×5年、×6年、×7年の無申告加算税が加重されると解されます(参考文献が無いため現状は弊所の独自の解釈)
根拠は、当該制度についての根拠規定は、国税通則法第66条(無申告加算税)しか存在せず、「前年及び前々年」という文言に対する但し書きも存在しないため、そのまま解釈すればそのように解されるためです。
まとめ
連続無申告の方は、調査通知後調査開始前ではなく、調査通知前に無申告解消が望まれると解されます。
税務調査前の期限後申告のメリットについて
無申告の方へ。税務署から連絡があっても諦めないでください
無申告に自覚がある状態で税務署から突然連絡があった場合、強い不安を感じるでしょう。特に、何年にもわたって申告をしていなかった場合、その不安や恐怖は計り知れないものでしょう。しかし、だからといって全てを諦めるのは早計です。
税務署からの連絡を受けた段階でも、最悪な状態を免れることができる可能性が残されています。まずは状況を整理し、税理士へ相談することが重要です。
本記事は、例えば10年間無申告だったような深刻な状況に置かれた方が、税務調査の通知を受けた後からでも取り得ることができる策について、税務調査を専門とする税理士の立場から解説します。
知っておくべき現実:無申告への重加算税リスクは年々増加
まず、直視すべき現実があります。それは、単なる無申告であっても、最も重いペナルティである「重加算税」が課される可能性が年々高まっているという事実です。
この記事は、収入があるにもかかわらず無申告であると自覚されている方を対象としています。仮に10年間無申告の状態が続いている納税者の方に税務調査の通知があったケースを想定してみましょう。
かつては「無申告は意図的な所得隠し(隠蔽仮装)とは違うため、重加算税にはなりにくい」という見解もありました。しかし、これはもはや古い考えに基づく見解であると言わざるを得ません。国税庁の公表データを見ても、無申告法人に対して重加算税が課された割合は増加傾向にあります。所得税に関する直接的なデータはありませんが、国税庁が無申告の個人事業主を重点的な調査対象として挙げていることからも、同様に厳しい姿勢で臨んでいると考えるのが妥当です。
「ただ申告していなかっただけで、悪意はなかった」という主張が、通用しにくくなっているのが現在の税務行政の現実なのです。このまま何もしなければ、7年間に遡って調査が行われ、極めて重い税負担を強いられるリスクが高い状況にあると認識してください。
調査「開始前」の期限後申告を検討すべき3つの理由
既に税務調査日が決定している難しい状況であっても、検討できる選択肢は残されています。それは、税務調査が「開始される前」に、自主的に期限後申告を行うことです。その理由は、大きく分けて3つあります。
理由1:最も重いペナルティ「重加算税」を回避できる可能性
最大のメリットは、ペナルティの中で最も重い「無申告重加算税」を回避できる可能性がある点にあります。
無申告の状態で税務調査の通知を受けたとしても、調査開始前までに期限後申告書を提出することで、無申告重加算税の適用を回避できる可能性が残されていることが国税通則法に明記されています。これは法律に基づいた明確な根拠のある対策です。
税務調査で隠蔽仮装を伴う無申告が指摘された場合に課される無申告重加算税の税率は40%です。一方で、調査通知後であっても更正・決定を予知する前に自主的に申告した場合の無申告加算税は、原則として納付すべき税額の50万円までの部分が10%、50万円を超える部分が15%となります。なお、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税では、300万円を超える部分について25%となる場合があります。この税率の差は、最終的な納税額に大きく影響します。この差こそが、我々が重加算税回避に全力を尽くす理由です。
理由2:調査範囲が「7年」から「5年」に短縮される実務上の可能性
次に調査対象期間に関するメリットです。
10年間無申告だった場合、調査で悪質と判断されれば、法律上、最大で7年分遡って税金を課される可能性があります。これは非常に大きな負担です。
しかしたとえ10年間意図的に無申告であっても、調査開始前に自主的に直近5年分の期限後申告書を提出した場合、実務上は、その5年分の調査で終了するケースが非常に多いのです。当該論点について弊所の見解は、調査官が「納税者を追い詰めすぎると再起不能になる。再起を促す方が将来的にこの納税者から税収を得ることができるメリットがある」という考えを有していることが起因しているのではないかと考えます。7年分と5年分とでは、納税額はもちろん、調査にかかる精神的負担も大きく異なります。この税務調査官に対する、自主的に期限後申告をして今後は改めますという暗黙のメッセージを送ることは、極めて重要なのです。
理由3:近年厳格化された各種加重措置を回避できる
さらに、あまり知られていない専門的なメリットとして、近年の法改正で厳しくなった無申告者に対するペナルティを回避できる点も挙げられます。
実は「無申告という最も申告納税に対して不誠実な行為をしている無申告者に重加算税が賦課されにくいことは不公平だ。そうならないために、無申告加算税の罰則を強化すべきだ」という主張がありました。そこで無申告に対しては、通常の無申告加算税に加えて、さらにペナルティが上乗せされる「加重措置」などが近年設けられています。
しかし、調査開始前に期限後申告を行えば、これらの加重措置のいくつかを回避することが可能です。例えば、高額な無申告に対する加重措置や、売上帳簿の不備による加重措置を回避することができます。さらには、調査後において無申告を指摘された納税者が、経費を認めてもらえない、認めてもらいにくくなる「後出し簿外経費不可規定の適用」といった厳しいルールも回避できます。
ただし、一点注意が必要です。「連続した無申告に対する加重措置」は、調査の「通知前」でなければ回避できません。
巷で言われる「デメリット」は本当か?専門家の見解
期限後申告をためらう理由として、巷で囁かれるいくつかの「デメリット」を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、当事務所はこれらの意見に同意できません。
「調査が厳しくなるのでは?」
これは逆と言えるでしょう。むしろ、事前に申告書を提出することで、調査の論点が明確になり、争点が整理されるため、結果的に調査がスムーズに進み、早期に終了する可能性が高まります。
「税理士への報酬が高くなるのでは?」
確かに、特急対応の報酬は発生します。しかしその報酬と、回避できる可能性のある「重加算税(税率40%)」や「7年分の追徴課税」というリスクを天秤にかければ、どちらが合理的な判断かは明らかでしょう。
「急いで作成すると過大な申告になるのでは?」
もし仮に税務調査日までに資料の大部分の再発行が間に合わないと判断した場合は、税務調査日の日程を申し出るなどの戦略を立てます。そして根拠資料を注意深く確認しながら、限られた時間の中でも過大な申告とならないよう正確かつ素早い申告書の作成を実行します。
税理士への依頼で得られる「重加算税回避以外」のメリットとは
調査開始前に税理士へ依頼し、期限後申告を行うメリットは、調査を乗り切るためだけにとどまりません。調査後の事業継続や、その後の適正な申告体制を整えられる点にも重要な意味があります。
税理士が責任をもって作成・提出した申告書は、税務署からの信頼性が格段に高まります。大きな不備がなければ、その申告内容が是認され、調査が早期に終了するケースがほとんどです。
さらに重要なのは、調査後の未来です。一度、無申告で税務署から厳しい指摘を受けた納税者は、その後も「要管理対象」としてマークされやすくなると言われています。しかし、調査前に自主的に申告を行い、重加算税を回避し、その後も税理士が関与して適正な申告を継続することを主張すれば、税務署からのマークを避けることができる可能性が高まり、将来の調査リスクを大幅に低減できる可能性が高まります。
単に過去分の税金を納めるだけでなく、今後の申告体制を整える機会として捉えることが重要です。自力での対応には限界があります。残された時間は決して多くありません。最善の結果を得るために、そして何より、一日も早く不安な日々から解放されるために、まずは専門家にご相談ください。
当事務所では、税務調査でお困りの方のために無料相談を実施しております。一人で抱え込まず、今すぐ行動を起こしてください。
税務調査前の期限後申告はデメリットがあるからやめておくべきは本当か
税務調査前の期限後申告は「デメリットがある」という噂の真相
税務署からの突然の通知、本当に驚かれたことでしょう。突然の通知を受け、どのように対応すべきか判断に迷っている方もいるでしょう。特に、「税務調査の前に慌てて期限後申告をすると、かえって不利になる」といった話を聞いて、行動をためらってはいませんか?
この記事では、その噂の真相を税務調査専門の税理士が徹底的に解説し、あなたがとるべき対応の方向性を解説します。結論から申し上げれば、無申告の場合は税務調査前に自主的に期限後申告して事前に無申告状態を解消しておきべきと考えます。以下では、その理由を税務上のポイントに沿って説明します。
巷で言われる「3つのデメリット」を税務調査の専門家が徹底検証
インターネット上には、税務調査前の期限後申告に関する様々な情報が溢れています。その中には、もっともらしく聞こえる「デメリット」も少なくありません。しかし、それらの多くは重要な部分を見落としています。ここでは、税務調査前に期限後申告する場合のデメリットとして挙げられる代表的な3つのデメリットを、税務調査の専門家の視点から一つずつ検証します。
デメリット1:税理士報酬が高くなる?
「調査前の期限後申告は、準備が煩雑で時間がかかるため、税理士報酬が高額になる」という意見があります。確かに、調査通知を受けてから調査開始までの限られた時間で、複数年分の申告書を正確に作成するには相応の手間がかかります。そのため、調査後の対応に比べて報酬が高くなる傾向があるのは事実です。
しかし、目先の報酬額だけで判断してはなりません。あなたが最終的に支払うべきコストは「追徴税額+税理士報酬」の総額です。この総額を最小化することこそが、最も重要な視点と言えるでしょう。
税務調査が始まってしまえば、税務署の指摘に基づいて税額が計算され、厳しいペナルティが課されるリスクが高まります。特に、無申告期間が長期にわたる場合意図的な無申告として、調査対象期間が最大7年間に及び、かつ無申告重加算税が賦課される可能性も否定できません。一方で私たちの経験上、調査前に自主的に5年分の期限後申告書を提出することで、調査対象期間が5年で済むケースが数多く存在します。2年分の追徴課税を回避できるインパクトは、税理士報酬をはるかに上回るのではないでしょうか。結果として、総支払額を大幅に圧縮できる可能性が高いのです。
デメリット2:調査が厳しくなる?
「自ら申告することで『やましいことをしていたにも関わらず重加算税を回避しようと試みた』と税務調査官が感情的になり、かえって調査が厳しくなるのではないか」という不安を抱く方もいらっしゃいます。しかし、これは調査官は何を狙っているのか、という視点を欠いた指摘です。
税務調査官は、重加算税を賦課すること、多額の追徴税額を賦課すること、税務調査を短時間で終わらせること、という3つの視点を有しており、そのバランスを重視しています。仮に重加算税を賦課するために長時間かけて粘ったとしても総合的なバランスが悪いことになります。納税者が自主的に5年分期限後申告する場合は、重加算税を回避できたとしてもその追徴本税は多額となります。納税者が自ら多額の追徴本税を自主的に申告してくれることは、税務調査を短時間で終わらせることにつながり、総合的なバランスが良いことになります。
以上より自主的に税務調査前に期限後申告することで調査が厳しくなるどころか、短時間で終わる可能性が高く、実際に当事務所はそのような経験を多数有しております。
デメリット3:資料不足で不利な申告になる?
「過去の領収書や請求書がほとんど残っておらず、経費を十分に計上できないまま申告することになり、結果的に損をする」という懸念もあるでしょう。
確かに、無申告の期間が長ければ長いほど、資料が不足しているケースは多く見受けられます。しかし、だからといって諦める必要は全くありません。ここに、専門家が介在する大きな価値があります。
まず知っておくべきなのは、税務調査の日程は、正当な理由があれば変更が可能だということです。資料の再発行や整理、取引先への確認などに必要な時間を確保するため、調査日を延期してもらうのが定石です。調査官へ述べる延期の理由は「税務調査の準備のため」で十分です。金融機関の取引履歴を取り寄せたり、クレジットカード利用明細を再発行したり、事業内容を丁寧にヒアリングしたりすることで、計上可能な経費を一つひとつ積み上げていくことができます。資料がないからと安易に諦めて税務調査に臨む方が、はるかに高いリスクを伴うのです。
税務調査開始前に期限後申告をすべき重大な理由
私たちがこれほど強く、調査前の期限後申告を推奨するのか。その大きな理由が存在します。
それは「無申告重加算税」を回避できる可能性が残されているから
あなたが最も恐れるべきペナルティ、それが「無申告重加算税」です。無申告重加算税は、意図的な所得隠しや事実の仮装・隠蔽など、特に悪質なケースに課される最も重いペナルティであり、その税率は本来納めるべき税額の40%にも達します。
ここでまた一つ重要なことは、かつては無申告は、無申告という積極的な隠蔽仮装行為が存在しないため無申告重加算税の可能性が低いと言われていましたが、近年は無申告重加算税の可能性が高まってきています。理由として考えられるのは、昔は現金取引のみで完結させて無申告である証拠を隠しやすかったが、近年は売上金が通帳預金口座に入金されているケースが多く、その売上金について知らないとぼけて言い訳することが難しくなったからである、と考えられます。
以上より、無申告状態のままで税務調査に臨むことは非常にリスクの高い行為であり、税務調査前の自主的な期限後申告を推奨いたします。
無申告の税務調査に強い税理士への相談が解決の第一歩
無申告重加算税を回避するという最大のメリットを理解した今、次に考えるべきは「では、具体的にどうすればいいのか?」ということです。答えは一つしかありません。それは、無申告案件に精通した税務調査専門の税理士に今すぐ相談することです。
過去数年分の期限後申告書の作成、税務署との調査日程の調整、そして調査当日の交渉まで、一連のプロセスには高度に専門的な知識と経験が不可欠です。過去数年分の申告書作成や税務署対応には専門的な判断が必要になるため、無申告案件に詳しい税理士へ相談することが有効な選択肢になります。
税理士への依頼費用と報酬の考え方
専門家に依頼する上で、費用が気になるのは当然のことです。無申告案件の税理士報酬は、税理士事務所の方針によって異なりますが、税務調査前の期限後申告5年分の業務を含む場合は、100万円の見積もりであっても妥当するように解されます。
この金額だけを見ると、大きな負担と感じるかもしれません。ただし、費用を検討する際は、税理士報酬だけでなく、追徴税額や加算税を含めた総負担額で判断することが重要です。税理士報酬を抑えることだけを優先すると、結果として重加算税などを含めた負担が大きくなる可能性があります。
専門家への報酬は、最悪の事態を回避し、あなたの財産と未来を守るための必要経費です。費用対効果という観点から見れば、その価値は計り知れないものがあるはずです。
まとめ:絶望的な状況でも、打つ手はまだ残されています
無申告に心当たりがある状態で税務署から通知を受けた場合でも、諦める必要はありません。最も危険な行為は、不確かな情報に惑わされ、恐怖心から「何もしないこと」を選択してしまうことです。その選択こそが、あなたの状況をさらに悪化させる最大のリスクとなります。
絶望的な状況に思えても、打つ手はまだ残されています。一人で判断せず、無申告案件や税務調査対応に詳しい専門家へ早めに相談することを検討してください。