夜職従業者向けの税務調査の知識
風俗嬢の確定申告は必要?申告しないとバレる理由と税務調査で見られるポイント
このページにたどり着かれたのは風俗嬢で、風俗嬢は確定申告で税金を納めなければならないのか、風俗嬢の無申告は税務調査で狙われているのか、と不安に思われている方と存じます。この点について弊所の知見から以下で記述いたします。
結論
・風俗嬢の方は業務委託として確定申告が必要なケースが多数と考えます。
・風俗嬢の方は税務署の重点業種として狙われていると考えます。
・風俗嬢の方は令和2(2020)年以後無申告がバレやすくなった可能性が高いというのが弊所の私見です。
・風俗嬢の方はとにかく確定申告をすることが重要と考えます。
以下で詳細を記述します。
風俗嬢の方は業務委託として確定申告が必要なケースが多数と考えます
まずこちらのページをご参考ください。
ナイトワーカー(ホステス、キャバ嬢、風俗嬢、ホスト等)で無申告が心配な方へ
風俗業の方は雇用契約ではなく、業務委託契約である可能性が高く、風俗店から得たお金は売上として事業所得の可能性が高いです。従いまして、事業所得者として確定申告が必要と考えることが妥当します。
風俗嬢の方は税務署の重点業種として狙われていると考えます
こちらのページをご参考ください。
税務調査の対象となりやすい個人事業主の業種とは
弊所は、税務調査の対象となりやすい個人事業主の業種として風俗業を2位と分析しております。
風俗嬢の方は令和2(2020)年以後無申告がバレやすくなった可能性が高いというのが弊所の私見です
風俗「業」ですが、国税庁の風俗「業」の定義が明確ではなく、また日本産業分類でも基準を見出すことはできませんでした。
ここで、法人税の税務調査における不正ランキングで「バー・クラブ」が過去からずっと上位だったにも関わらず、所得税の税務調査における所得漏れランキングで「ホステス・ホスト」が令和5年、令和6年においてようやくランクインし始めた、という話があります。
そうすると、国税庁の風俗「業」は風俗「店」を指している可能性があります。そして風俗「嬢」はまだランキング外なのかもしれません。しかし、令和2(2020)年から国税が、事業者に対して情報開示を求めることができる法整備がされたため、今後、風俗嬢の無申告等がバレやすくなったと分析しております。こちらのページをご参考ください。
風俗嬢やホステスホストのみなさま令和2(2020)年から無申告等がバレやすくなった可能性が高いです
風俗嬢の方はとにかく確定申告をすることが重要と考えます
風俗嬢の方が確定申告をするとなると、「何が経費になるのか」という論点に注目しがちです。ただ、風俗嬢の方の経費はほとんどないのではないでしょうか。移動手段や消耗品はすべて店が揃えるため、ご自身は出勤するだけで経費がほとんどないように思われます。ここで、経費が無いから税金が高くなるから損だ、という話によくなるのですが、経費がかからずに売上が上がる商売というのはいわゆる利益率が高い商売となり、利益率の高い商売であるから税金が高くなる、という理論上、仕方のないことであるとご理解いただければと存じます。恐れ入りますが、風俗嬢の方については、税金を必要経費と考えることが妥当すると考えます。
風俗嬢やホステスホストのみなさま令和2(2020)年から無申告等がバレやすくなった可能性が高いです
結論
・国税が携帯電話事業者に対して電話番号から開示請求することにより風俗嬢やホステスホストのみなさまにたどり着くように最近変化した可能性があります。
・実際に令和5~6年事務年度の所得税の税務調査申告漏れランキング上位にホステスホストがランクインし始めました
・令和2(2020)年からメルカリやヤフオクや暗号資産の無申告がバレやすくなったことが関係しています。
・令和元(2019)年以前は国税が携帯電話事業者に対して電話番号を開示請求できなかったが、令和2(2020)年から開示請求できるようになったかもしれません。しかしこれはあくまで弊所の予想です。
以下詳細を記述します。
国税が携帯電話事業者に対して電話番号から開示請求することにより風俗嬢やホステスホストのみなさまにたどり着くように最近変化した可能性があります
国税が毎年、法人税の税務調査の事績を発表しており、「バー・クラブ」は不正発見割合の高い業種として毎年ランクインしております。ここで「バー・クラブ」の定義は明確ではありませんが、国税庁が日本標準産業分類を参考としていると仮定するならば、「バー;スナックバー;キャバレー;ナイトクラブ」と考えられます。これはつまり「バー・クラブ」の「店舗」、経営者側に税務調査が入ったことになります。
しかし一方で、ホステスホストといういわゆるプレイヤー、キャスト側について、所得税の申告漏れの多い業種の上位にランクインしておりませんでした。ただ、令和5~6年事務年度の所得税の税務調査申告漏れランキング上位にホステスホストがランクインし始めました。こちらのページをご参考ください。
弊所はこの理由について、令和2(2020)年以後はネットプラットフォーム事業者が国税に対して情報提供しなければならなくなったという法律が影響していると考えます。こちらのページをご参考ください。
令和2(2020)年からメルカリやヤフオクや暗号資産の無申告がバレやすくなりました
これらの近年の改正から、弊所は国税が携帯電話番号から開示請求によりホステスホストというプレイヤーにたどり着いているのではないかと分析しました。
弊所が予想した令和元(2019)年以前において風俗店やキャバクラやホストの店舗に税務調査が入った場合に起こっていたこと
法人税の税務調査官は、風俗店やキャバクラ店やホスト店を重点業種として毎年税務調査していると考えます。そこで店舗における法人税法上の不正行為などを発見します。また、その店舗の従事者である、風俗嬢、キャバクラ嬢、ホストについての外注費についての情報を得ることになるでしょう。そうすると、当該風俗嬢、キャバクラ嬢、ホストについても、所得税の税務調査課などに引きつけば、言わば一網打尽で所得税の追徴ができる可能性があります。しかし恐らくこれらのプレイヤー、キャストは「源氏名、あだ名、偽名」で登録されているため、所得税の調査官はたどり着けなかったのではないか、と分析しました。
ただ、風俗店やキャバクラ店やホスト店と風俗嬢やキャバクラ嬢とホストを繋ぐ真実の情報が「携帯電話番号」であると考えます。つまり国税が当該携帯電話番号から携帯電話事業者へ開示請求をすればたどり着くことができると考えます。しかし、令和元(2019)年以前において携帯電話事業者が国税に情報提供しなければならないという根拠規定が乏しかったために、それができなかった可能性があります。
弊所が予想した令和2(2020)年以後において風俗店やキャバクラやホストの店舗に税務調査が入った場合に起こっていること
しかし、令和2(2020)年以後においてネットプラットフォーム事業者が、国税に情報提供しなければならない法律が整備されました。この影響を受ける事業者の中に、携帯電話事業者が含まれる可能性があります。したがって、令和2(2020)年以後、国税が風俗嬢・キャバ嬢・ホストの携帯電話番号と思われる携帯電話番号を携帯電話事業者へ開示請求して、当該風俗嬢・キャバ嬢・ホストにたどり着いているのではないか、と推測しました。
令和5~6年事務年度の「所得税及び消費税調査等の状況」における「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」より
・令和4年事務年度以前の「ホステス・ホスト」:ランキング外
・令和5年事務年度の「ホステス・ホスト」:2位
・令和6年事務年度の「ホステス・ホスト」:3位
まとめ
・風俗嬢・キャバ嬢・ホストのみなさまが、かつて在籍していた店舗に税務調査が入り、登録していた電話番号から開示請求されて所得税の税務調査の対象となるかもしれない、というのはあくまで弊所の予想です。
・しかし、近年において急にホステス・ホストが申告漏れランキングの上位にランクインしていることは確実なデータとして存在します。
ナイトワーカー(ホステス、キャバ嬢、風俗嬢、ホスト等)で無申告が心配な方へ
まず明確にしなければならない点
・ご自身が店と雇用契約を結んでいる
・ご自身が店と業務委託契約を結んでいる
まず、ご自身がどちらかご判断ください。なお判断方法は後述します。次に業務委託の場合に明確にしなければならない点をお伝えします。
業務委託契約の場合に明確にしなければならない点
「ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。」における「ホステス等」の範囲に、ホステス、キャバ嬢、風俗嬢、ホスト、は含まれるのか?という論点です。国税庁において以下の規定が明示されています。
源泉徴収の範囲
ホステス等に支払う報酬・料金として、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければならない場合は、次に該当する場合となります。
1 バーやキャバレーの経営者が、そこで働くホステスなどに報酬・料金を支払う場合
2 いわゆるバンケットホステス・コンパニオン等をホテル、旅館その他飲食をする場所に派遣して接待等の役務の提供を行わせることを内容とする事業を営む者が、そのバンケットホステス、コンパニオン等に報酬・料金を支払う場
(注) このバンケットホステス・コンパニオン等とは、ホテル、旅館、飲食店その他飲食をする場所で行われるパーティー等の飲食を伴う会合において、専ら客の接待等の役務の提供を行うことを業務とする人をいいます
つまり、
・ホステス←業務委託の場合は源泉徴収されることが明確化している
・バンケットホステス←業務委託の場合は源泉徴収されることが明確化している
・コンパニオン←業務委託の場合は源泉徴収されることが明確化している
では、
・キャバ嬢?
・風俗嬢?
・ホスト?
はどのような取り扱いになるのか疑問かと思います。弊所の調べた結果、結論としては明確ではなく解釈の範囲となると解されます。以下において弊所独自の見解を述べたいと思います。
・キャバ嬢←ホステスに準ずる扱いとして業務委託の場合は源泉徴収されるべきという説が有力と解されます。
・風俗嬢←上記ホステス等には含まれず業務委託の場合は源泉徴収されないという説が有力と解されます。
・ホスト←ホストとはまさにホステスの性別が反対の存在ですから、業務委託の場合は源泉徴収されるべきという説が有力と解されます。
源泉徴収されている場合はその金額からご自身が雇用契約なのか業務委託なのか推測する手がかりとなります。
以降の記述は以下の業種をナイトワーカーと定義づけて、解説いたします。
・ナイトワーカーの定義
◎ホステス
◎ホスト
◎ガールズバー勤務
◎風俗嬢
◎セクキャバ嬢
◎ヘルス嬢
◎ソープ嬢
◎その他上記に近い職業
ナイトワーカーが無申告の場合についての解説
・教科書的な解決法を解説
・教科書通りにはいかない現実の実態を予想して解決法を解説
以下で解説いたします。
ナイトワーカーが無申告の場合についての解説(教科書的な解決法を解説)
1、まずご自身が雇用契約か業務委託契約かを確認する
2、雇用契約かつ1か所勤務であれば店に年末調整の義務がありご自身は何もしなくて完了
3、雇用契約かつ昼職勤務や他事業所勤務の2か所以上勤務であればご自身が給与所得を合算して確定申告の必要あり
4、業務委託契約の場合は必ず確定申告の必要あり
となります。
1、まずご自身が雇用契約か業務委託契約かを確認する
ご自身と店の関係性について
・書面で交わした契約書が存在する
・書面で交わした契約書が存在せず、口頭のみ
・年末に源泉徴収票が発行される
のいずれでしょうか。
・書面で交わした契約書が存在するのであれば、書面で雇用契約か業務委託契約かいずれかをご確認ください。
・書面で交わした契約書が存在せず、口頭のみ、の場合は不明となるのですが、明確な雇用関係がない場合は、税務署を含めた処分庁は、業務委託契約に該当すると指摘する可能性が高いです。
・年末に源泉徴収票が発行される場合は、雇用契約となります。
2、雇用契約かつ1か所勤務であれば店に年末調整の義務がありご自身は何もしなくて完了
ご自身がその店と雇用契約関係で1か所のみ勤務の場合は、いわゆる世間一般のサラリーマンと同様に事業者が年末調整を行うためご自身は何もしなくて良く、納税の責任はその事業所にある、と解されます。
3、雇用契約かつ昼職勤務や他事業所勤務の2か所以上勤務であればご自身が給与所得を合算して確定申告の必要あり
・ご自身が店と雇用契約にあり、昼間に他の事業所で働いている、また他の事業所のナイトワーカーである、という場合は2か所以上給与として確定申告が必要となります。
・昼職の職場がナイトワークを禁止している場合かつ昼職の職場が住民税の特別徴収天引きをしていると、ナイトワークによる収入の増加により、住民税の金額が増加して昼職の職場にばれてしまう可能性が高まります。なお、ナイトワーク分の住民税のみ普通徴収ということは制度上不可能となっております。
4、業務委託契約の場合は必ず確定申告の必要あり
・業務委託の場合は個人事業主であり確定申告が必要となります。
・開業届出を提出していないから開業していないというのは通用せず、実質的に個人事業主として開業となります。
・収入は、店から受け取ったお金となります。なお、おそらく店は源泉徴収をしていないと思われますのでその全額が収入となると解されます。ご自身が予想した報酬額よりやや少ない受け取りの場合は源泉徴収されている可能性があります。
・経費は、そのナイトワークに関係する費用となります。
ナイトワーカーが無申告の場合についての解説(教科書通りにはいかない現実の実態を予想して解決法を解説)
1、まずご自身が雇用契約か業務委託契約かを確認するのですが、よくわからないでしょう
ナイトワーク、夜の世界、という性質を想像しますと、恐らく契約内容もよくわからないと思われます。したがって「雇用以外は業務委託と解するしかない」という意味で恐らくナイトワークの多くは業務委託の可能性が高いです。なぜなら店側が税務調査を受けた場合において、店側が業務委託と答える可能性が高いからです。。
2、雇用契約かつ1か所勤務であれば店に年末調整の義務がありご自身は何もしなくて完了のはずですが、そうはいかないかもしれません
仮に雇用契約であった場合は、教科書的な考えとしては、当然店が年末調整を適切に行うはずなのですが、ナイトワーク、夜の世界、という性質を想像しますと、店があなたの年末調整を適正に処理するか確かではありません。ご自身としては、もし何か税務署からの指摘があった場合は、とにかく雇用による給与所得であることをアピールすることになります。
3、雇用契約かつ昼職勤務や他事業所勤務の2か所以上勤務であればご自身が給与所得を合算して確定申告の必要ありですが、資料が不足するかもしれません
ナイトワーク、夜の世界、という性質を想像しますと、そのナイトワークの勤務先が源泉徴収票を適切に発行してくれるかどうかは不明となります。しかし、そのままでは脱税、確定申告が完了しませんので、ご自身が受け取った金額をご自身が集計して概算で合算して確定申告の計算をしなければならない状況もあるかもしれません。
4、業務委託契約の場合は必ず確定申告の必要ありなので、ご自身が業務委託かどうかは不明でも申告するしかないように解されます
ナイトワーカーは店との関係も不明、店が源泉徴収しているかどうかはご自身の満額報酬との差額を自分で気が付くしかない、など不明点が多々あると予想されますが、ナイトワーカーは、とにかく申告する必要性が高いように解されます。
まとめ
ナイトワーカーは業務委託報酬としての確定申告が必要なケースが多いと考えられます。
田中信男税理士事務所は、「過去を責めない」という理念のもと、税務調査という困難に直面した納税者の皆様が、安心して事業を継続できるよう、最後の砦として全力でサポートいたします。適切な対策を講じることで、税務調査への備えが整い、不安の軽減や事業運営の安定につながる可能性があります。ご不明な点やお困りの際は、当事務所までご相談ください。