重加算税を回避するには?調査中に問われる「隠ぺい・仮装」の条件と防衛策

税務調査の段階で対策は変わる!あなたの現状は?

税務調査の通知を受け、あるいは既に税務調査が始まっている状況で、この記事を読まれているかもしれません。重加算税という最悪の事態を回避するため、必死に情報を探されていることとお察しします。

まず大前提としてご理解していただきたいことがございます。重加算税を回避するための方法は、どの段階であるかによって、その方法が異なります。

【状況別】重加算税を回避するための方法は3つのフェーズで考える

大きく分けて以下の3つのフェーズで考えられます。

  1. 調査通知前:調査通知が来る前に自主的に修正申告書、自主的に期限後申告書提出するパターンにおいては、そもそも過少申告加算税がかかりません。無申告加算税はかかるものの5%に抑えられています。ここで重要なのはこのフェーズにおいて自主的に対処すれば重加算税が賦課される可能性は限りなく0に近いと言えることです。
  2. 通知後〜調査開始前:調査通知後であるが税務調査開始前に自主的に修正申告書、自主的に期限後申告書提出するパターンであっても、重加算税を回避できることが国税通則法68条で明記されています。このパターンについては、実は税理士であったとしても誤って認識している場合もあるため注意となります。
  3. 調査開始後:税務調査が開始されてしまった状況で、重加算税を回避するためにできる方法は、隠蔽仮装を否定するという方法となります。

以上より法的な根拠に基づいて重加算税を回避できる可能性があると言えるのは、税務調査開始前まで、と言えます。

しかしながら、本記事においては税務調査開始後における重加算税を回避する方法について解説していきます。

調査開始後は状況判断が重要!税理士の力が必要な理由とは

税務調査が開始されてしまった状況で、重加算税を回避するためにできる方法は、隠蔽仮装を否定するという方法です。ここで隠蔽仮装の定義は曖昧である点が状況を複雑にさせます。

隠蔽仮装の定義が曖昧であることについて以下のことに注意すべきです。一つは、隠蔽仮装の定義が曖昧であることを利用して税務調査官が納税者の単なるうっかりミスを意図的な隠蔽仮装と決めつけてくることです。

しかし一方で、隠蔽仮装の定義が曖昧であることを利用して、納税者が隠蔽仮装をとにかくなんでも否定して重加算税賦課を逃れようとしても、逃れることができる可能性は低いということです。

このように税務調査開始後の状況判断は非常に重要ですので、税理士の力を借りるべきと考えます。

重加算税の根拠「隠蔽仮装」とは何か?

重加算税が課されるか否かの判断は、あなたの申告漏れが「隠蔽仮装」に該当するかどうかです。ただその隠蔽仮装に該当するかの判断が非常に難しいものになります。

判断基準となる「隠蔽仮装」の典型的な手口

繰返しますが隠蔽仮装とはどのような行為であるかどうかについて明確な規定はありません。しかし国税庁は、どのような行為が「隠蔽仮装」に該当するかの「一応」の具体例を「事務運営指針」で示しています。以下はその一部です。

  1. 二重帳簿の作成:税務署提出用と内部管理用の2種類の帳簿を作成する。
  2. 帳簿書類の破棄・隠匿:不正の証拠となる帳簿や書類を意図的に隠したり、破棄したりする。
  3. 売上の意図的な除外:特定の取引先からの売上を意図的に計上しない。
  4. 架空仕入・架空経費の計上:存在しない取引をでっち上げ、経費を水増しする。
  5. 他人名義の利用:親族や従業員など、他人名義の口座を利用して所得を隠す。
  6. 取引内容の改ざん:契約書や請求書の内容を書き換える。
  7. 調査担当者への虚偽答弁:調査官の質問に対し、意図的に嘘の説明をする。

しかしこれらの典型例に当てはまらない、あるいは境界線が曖昧なケースも数多く存在します。

【本題】調査中における重加算税の3つの注意点

ここからが本題です。調査が開始された後における注意点を3つに絞って解説いたします。

注意点1:納税者の無知を利用した調査官の決めつけに注意

例えば、売上計上についてよくある論点として、売上収入の認識が当期ではなく翌期の売上金回収日において認識しており、当期の売上収入金額が少なくなるという、いわゆる売上の期ずれの論点があります。

しかし期ずれは隠蔽仮装に該当しないと、国税庁の事務運営指針に明記されています。したがってこのケースで調査官が期ずれによる隠蔽仮装を主張してきた場合は、反論すべきとなります。

次に、売上金の未計上による課税漏れの論点です。未計上の理由がミスであるのか故意であるのかは解釈によるところであり明確ではありません。故意であると決めつけてくる税務調査官には注意すべきです。

売上未計上の金額が少額である、連続性は無い、法則性は無い、ということであればミスであるとして隠蔽仮装を強く否定すべきです。実は納税者の無知に付け込んで根拠のない重加算税が賦課されてきたケースは過去たくさん存在します。

注意点2:質問応答記録書には安易に署名しない

注意点1にも大きく関係する論点となります。税務調査の最終段階になると、調査官は「質問応答記録書」という書類を作成し、納税者に署名・押印を求めてくることがあります。これは、調査における納税者とのやり取りを記録したもので、いわば調査官にとっての「調書」です。

この書類は、内容について納得できないのであれば、安易に署名してはいけません。

署名・押印をすると、後の不服申立てや裁判で不利に働くおそれがあります。ただ署名したからといってこの書類に記載されていることのすべてが必ずしも真実として認定されるわけでもありません。

しかし、記録書の内容に少しでも納得できない点や、事実と異なる誘導的な記述があれば、その場で修正を求めてください。またそもそも署名しなければならない法的義務は存在しません。調査官のプレッシャーに屈することなく、自身の主張と異なる内容の書類には決して同意しないでください。

注意点3:やましいことが存在してしまう場合は否定し続けても厳しい

しかし一方で、隠蔽仮装の定義が曖昧であることを利用して、納税者が隠蔽仮装を、とにかくなんでも否定して重加算税賦課を逃れようと考えることは、困難であると言わざるを得ません。人間というのは弱い生き物で、嘘をつき続けることは困難です。

隠蔽仮装行為と思しき行為を調査官が発見すれば、その点については調査官に厳しく追及されます。すぐに言い訳の言葉が出てこなくなります。やましいこととは例えば、通帳に入金された売上金の合計額の集計が、申告書に記載されている数字と全く合わないことや、売上金が通帳に入金されているのに無申告であること、経費の集計がデタラメであるような、明らかなわかりやすい誤りのことを言います。やましいことしてしまっている状態であれば重加算税を賦課されてしまうことは仕方のない面もあります。

やましいことがある場合の対処法

「正直に言うと、意図的にやったことだ」と、ご自身の行為に明確な心当たりがある方もいらっしゃるかもしれません。その場合はどうすべきなのでしょうか、改めてまとめます。

やはり税務調査「開始前」の対処が望まれる

上記の解説の通り、やましいことに心当たりが有る場合は、税務調査「開始前」の対処が望まれることになります。税務調査「通知後」であっても対処法が残されているわけです。しかしながら税務調査「開始後」の場合は、たとえ税理士に依頼した場合であっても税理士ができることは遺憾ながら限られます。

まとめ:税務調査通知を受けたら、まず税理士にご相談を

税務調査において重加算税が賦課されるかどうかは、あなたの人生にとって大きな影響を及ぼします。不正行為によって発生した追徴税額は例え破産したとしても逃れられないとされています。

もしあなたが今、税務調査を前にして孤独と不安を感じているのであれば、一刻も早く税務調査に精通した税理士にご相談ください。私たちは、過去を責めることは決してしません。あなたの未来を守るため、最後の砦として、残された時間と選択肢の中で最善を尽くすことをお約束します。

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