赤字の個人事業主はむしろ狙われている|どうやって生活しているの?

「赤字だから大丈夫」は嘘。むしろ税務署に狙われています

「個人事業主で赤字申告をしていれば、税務調査の対象にはならない」
もしあなたが、このように考えているのであれば、その認識は根本的に誤りです。むしろ、赤字申告をしている個人事業主こそ、税務署から厳しい視線を向けられているという現実を知る必要があります。

税務署は、提出された確定申告書に不自然な点がないかを確認しています。そして、個人事業主の「赤字」は、申告内容を確認するうえで注目されやすい要素になり得ます。

この記事は、意図的に売上を少なくしたり、プライベートな支出を経費に計上したりして赤字申告をしてしまった結果、「もしバレたらどうしよう…」という深い不安を抱えているあなたのために執筆しました。

なぜ赤字申告が危険なのか、その本当の理由と、最悪の事態を回避するために今すぐ何をすべきか。この記事を読み終える頃には、その答えが明確に見えているはずです。

税務調査官は「どうやって生活しているの?」と見ています

赤字の個人事業主に対して税務調査が来ないというのは嘘で、むしろ狙われています。なぜなら赤字の個人事業主の生活費について税務調査官が疑問を持つからです。

ここで理解すべき重要な点は、法人における赤字と、個人事業主における赤字では、その意味が全く異なるということです。

法人の赤字は、生活費である役員報酬を控除した後での赤字もあり得ます。役員報酬を控除後で赤字の法人は、その役員報酬が生活費となります。またもし法人のお金が足りなくなれば、役員が役員借入金として法人にお金を入れれば法人が倒産することも防げます。

しかし、個人事業主の「事業所得の赤字」は、まさに生活費がマイナスということになります。個人事業主の貯金を切り崩して生活している、または家族からの援助を受けていなければ生活できないはず、と税務調査官は考えます。

そうすると税務調査官は、個人事業主の確定申告書における赤字は偽りで、実は不正をしてお金を貯めているのではないかと考えるわけです。

具体的には、個人事業主の売上が低いため赤字の場合は、売上を除外しているのではないかと税務署は考えます。個人事業主の経費が多いため赤字の場合は、架空経費を計上しているのではないか、私的な支出を経費にしているのではないかと税務署は考えます。またそもそも、適当ないい加減な確定申告書を提出しているのではないかと税務署は考えます。

赤字申告は、生活費の原資や申告内容の整合性について確認されるきっかけになり得ます。

調査で指摘される不正行為と重加算税のリスク

税務調査において、単なる計算ミスや解釈の違いであれば、過少申告加算税や延滞税といったペナルティで済みます。しかし、意図的に税金を免れようとした「隠蔽仮装」行為が認定された場合、最も重いペナルティである重加算税が課されることになります。

赤字申告の背景にある以下のような行為は、まさに「隠蔽仮装」そのものと判断される典型的なケースです。

  • 売上除外:取引先からの入金の一部を事業用の口座ではなく個人口座に入金する、現金売上を申告しないといった行為です。売上除外している場合はうっかりミスと言い訳して重加算税を回避することは困難であるため、税務調査前に修正申告書を提出することで重加算税を回避できる可能性を高めることが重要と考えます。
  • 架空経費の計上:実際には存在しない取引をでっち上げ、架空の請求書や領収書を用いて経費を水増しする行為です。架空経費を計上している場合は、架空の請求書や領収書の存在が明らかであるため、言い訳して重加算税を回避することは困難です。税務調査前に修正申告書を提出することで重加算税を回避できる可能性を高めることが重要と考えます。
  • 私的経費の計上:家族との食事代や旅行費、趣味の物品購入費など、明らかにプライベートな支出を事業経費として計上する行為です。個人事業主が私的プライベートな経費を計上することにより課税逃れをしていても重加算税が賦課されなかった国税不服審判所裁決事例が存在します(令和3年3月24日裁決)。しかし一方で、会社経営者の個人的な交際費を法人の経費にしていたということで重加算税が賦課された裁判例が存在します(東京地裁令和2年3月26日判決、その後の東京高裁令和3年1月28日判決でも同様の結論)。したがって、個人事業主が私的プライベートな経費を計上することにより課税逃れをしている場合も、税務調査前に修正申告書を提出することで重加算税を回避できる可能性を高めることが安全と考えます。

また、売上も経費もいい加減な数字で申告しているケースも多く存在します。この場合であっても「忙しかったから正確な計算ができなかった」というような言い訳は通用しません。税務調査前に修正申告書を提出することで重加算税を回避できる可能性を高めることが重要と考えます。

まだ、間に合います。重加算税のリスクを下げるために検討すべき対応

ここまで読んで、絶望的な気持ちになっているかもしれません。ただし、状況によっては最悪の事態を免れることができる可能性が残されています。

有力な対応の一つは、「税務調査の通知が来た後であっても、税務調査開始日の前日までに正しい内容の修正申告書を提出すること」です。

なぜなら、たとえ調査通知後であっても、調査によって更正されることを予知する前に行った修正申告であれば、重加算税を回避できる可能性があるからです。

やましいことに心当たりがある状態でそのまま税務調査を受けることは、最も避けるべき選択です。不安を抱えながら日々を過ごすのではなく、不安をすぐに解消することにより、今後の結果を改善できる可能性があります。

正当な赤字の場合にすべきこと

もちろん、全ての赤字が不正によるものではありません。創業期で先行投資がかさんだり、大規模な設備投資を行ったりと、正当な理由で赤字になるケースも当然あります。

もしあなたがこれに該当する場合、税務署に無用な疑念を抱かせないための工夫が有効です。具体的には、青色決算書や白色申告における収支内訳書の本年における特殊事情の欄を活用して、理由を説明することが、税務調査を省略させるために有効と考えます。

この説明があるだけで、調査官の心証は大きく変わり、不要な税務調査を回避できる可能性が高まります。

一人で抱え込まず、今すぐ専門家にご相談ください

修正申告の重要性はご理解いただけたかと思います。しかし、過去の申告内容を遡って正確に計算し直し、法的に正しい申告書を作成するのは、精神的にも技術的にも非常に困難な作業です。

特に、税務調査を意識した修正申告には、専門的な知識と経験に基づくスピードが不可欠です。改めて、どこまでが経費として認められ、どのような説明を準備すべきか。その判断を誤れば、せっかくの修正申告が意図した効果を発揮しない可能性すらあります。

当事務所は、納税者様の未来を守るため、最後まで重加算税回避の可能性を諦めません。一人で抱え込まず、まずは現在の申告内容やご不安な点をご相談ください。

初回のご相談は無料です。下記よりお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
登録番号128205
税務調査案件を全国対応している税理士
事前自主申告による税負担の軽減に全力を尽くしている
これまで多くの税務調査案件を早期解決に導いてきた

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