結論
・税務調査官が、決定している税務調査日前に電話で税務調査を開始することは許されない行為と考えます。
・しかし現在の法律においては、税務調査官が決定している税務調査日前に電話で税務調査を開始することは違法調査に該当せず、完全に防ぐことは難しいようです。
・納税者ができる防御策は、決定している税務調査日前に電話で調査官に対して余計な質問はしないこととなります。
・税務調査日前に帳簿の事前提出のお願いについて国税が公式に発表しました。
・帳簿の事前提出=更正の予知発生ではない、というものの事前提出に同意しないことが望まれます。
以下で解説します。
平成30年3月29日裁決の概要
当該裁決の概要は以下となります。
・当該裁決は相続税案件であった。
・相続人は税務調査の通知があり、税務代理人である税理士と当初申告を見直したところ、預金が相続財産から漏れていることを発見した。
・税理士は、税務調査日よりも前に、税務調査官に対して電話で、自主的な修正申告を提出する旨を伝えた。
・すると税務調査官は、調査日よりも前に電話により税務調査開始宣言を行い、調査を開始させた。
平成30年3月29日裁決の時系列
さらに時系列で解説しますと、以下となります。
・平成28年7月5日において調査官と税理士は日程調整をした。
・平成28年7月12日において平成28年7月20日が調査日として事前通知がされた。
・平成28年7月15日(恐らく午前か?)、税理士は、預金が相続財産から漏れていたので修正申告をする旨を申し出た。
・平成28年7月15日午後(午後と明記あり)、調査官は税理士に電話し、当該電話は調査による質問検査である旨を宣言、修正申告を予定している内容が預金取引に関するものであるか否かについて質問した。
・平成28年7月19日、相続税の修正申告書を提出
・平成28年7月20日、調査初日を迎えた
税務調査官に対して事前自主修正申告を考えている旨、事前自主期限後申告を考えている旨は決して伝えてはならない
弊所にご依頼いただく納税者様に対して、弊所は以下の内容をお伝えしています。
・事前自主申告を推奨している弊所に税務調査対応を依頼した旨を税務調査官に伝えることは控えていただくこと。
・事前自主申告を考えている旨を税務調査官に伝えることは控えていただくこと。
これは、弊所が当該裁決を研究して得た結論となります。
ただ税務調査官が税務調査日前において電話で税務調査を開始したとしても違法な調査であるとは言い切れないようです
しかしながら、税務調査官が税務調査日前の段階で、電話で納税者へ調査を開始することを禁じる法律は無いと考えます。では禁じられていないのであれば、税務調査官は調査日前に電話で調査を開始させることを連発すればよいのではないか、と思われます。しかし弊所の私見では、それは法律の趣旨に背くことになることや、納税者からの不服申し立てなどが頻発することも国税にとってはよくない現象であるため、そのようにしてこないのではないか、と考えます。
よって納税者ができる防御策は、決定している税務調査日前に電話で調査官に対して余計な質問はしないこととなります。
令和8年10月13日において税務調査日前に帳簿の事前提出のお願いについて国税が公式に発表しました
税務調査日前に電話で調査を開始ではないですが、税務調査日前に帳簿の提出のお願い、という動きがありました。
令和8年10月13日において国税が公式の税務調査前の事前帳簿提出のQ&Aを公表しました。
【緊急アナウンス】国税庁が実地調査前の帳簿等データ提出に関するQ&Aを公表しました
まとめると以下となります。
・税務調査開始前の帳簿提出はあくまでお願いであり同意しなくても罰則はない
・税務調査開始前の帳簿提出時点で、更正の予知ありとなるわけではない
という説明がされています。しかし弊所の見解は以下となります。
帳簿の事前提出を断っても問題ないのであれば安全性を高めるために断るべきです。
まとめ
税務調査日前に、事前自主申告、自主的な期限後申告を考えている場合であっても、その旨を税務調査官に伝えることはおやめください。
この記事の監修者

- 税務調査専門税理士
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プロフィール
近畿税理士会上京支部
税理士登録番号128205
税務調査案件を安価で全国対応している京都の税理士
税務調査前の自主申告期限を守るため土日祝日深夜対応を行う
これまで多くの税務調査案件を早期終了に導いてきた
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