このページをご覧の方は、税務調査の種類で机上調査と聞いたことがあるが、実地調査との違いはなんであるかと、不安に思われておられるかもしれません。弊所のこれまでの税務調査の経験から解説いたします。
結論
・机上調査とは、出された申告書や資料に加えて、銀行調査で取得した通帳や、プラットフォーム事業者から得た情報から、税務署内で下調べすることを言います。
・机上調査も税務調査に含まれるとされています。したがって机上調査で更正の予知が発生する可能性があります。
・実際に机上調査で更正の予知が発生した裁決事例が存在します。
・税務調査前の帳簿提出のお願いは更正の予知を発生させる意図があるもののその意図は限定的と考えます。
以下で詳細を記述します。
机上調査とは税務署内で下調べすることを言います
机上調査とは、「調査官が税務署内の自分の席上で納税者の申告書をチェックし、申告書に誤りや税務署保有資料との不一致があった場合に、電話や文書で質問したり、説明資料の提出を求めたりするもの」と言われています。かつてより、税務調査官が銀行調査(金融機関調査)で納税者の通帳を勝手に取得することは有名でした。
近年においては、プラットフォーム事業者へ情報提供を求めることができる法律が整備されました。またこれは弊所の推測も含まれますが、当該法律により携帯電話番号から所有者の開示請求もできるようになり、今後夜職の従事者に対する税務調査の確率が上がるのではないか、と考えます。こちらのページをご参考ください。
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机上調査で更正の予知が発生する可能性があります
机上調査が税務調査に含まれるかどうかは明確な規定はありません。そこで裁決や裁判例を参考とすると、税務調査は机上調査を含む広い概念であることを示した「国税不服審判所平成26年7月28日裁決」が存在します。当該裁決において、「実地調査の他、机上調査や税務署内部の準備調査も税務調査に含まれる」と明示しています。
ここで重要なのが机上調査により更正の予知が発生する可能性があるということです。実際に机上調査による支払調書の下調べにより、税務調査官が更正の予知を発生させて、税務調査前の自主的な修正申告を防がれてしまった事例が存在します。こちらのページをご参考ください。
衝撃!?税務調査前の自主申告でも重加算税を回避できない場合がある!?(令和5年12月7日公表裁決)
ただこれは弊所独自の研究結果ですが、机上調査及び納税者への非違事項指摘等が発生した場合に限り、更正の予知が発生すると考えます。
税務調査前の帳簿提出のお願いは更正の予知を発生させる意図があるもののその意図は限定的と考えます
令和8年において国税庁が「税務調査前の帳簿提出のお願い」を正式に公表しました。これは、税務調査の効率化という文言を建前に、税務調査官が納税者に対して税務調査日がまだ来ていない段階で、事前に帳簿等の提出を求めることです。これも弊所独自の見解ですが、当該お願いの意図の中には、税務調査前に帳簿データを取得することで更正の予知を発生させるという目的も含まれていると考えます。
しかしながら当該意図は限定的と考えます。なぜなら、当該公式発表後においても事前提出は「あくまでお願い」であり、強権的には行わないと宣言しています。また当該公式発表以前においても、「事前提出は質問検査権に含まれるので、御願いしようとすればいつでもできた」となります。しかしながらこれまで、当該事前提出のお願いが実施されることは稀でした。こちらのページをご参考ください。
税務調査等における帳簿等データの提出依頼に関する取組等について|国税庁
【緊急アナウンス】国税庁が実地調査前の帳簿等データ提出に関するQ&Aを公表しました
R8年に国税庁が発表した税務調査日前の帳簿提出の真意について分析しました
まとめ
納税者及び税理士が、税務調査官が机上調査を行うことを防ぐことはできません。しかし、やましいことに心当たりがある状態で税務調査通知が来たとしても、税務調査前の自主的な申告による重加算税回避を諦めないことは変わらないこととなります。
この記事の監修者

- 税務調査専門税理士
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プロフィール
近畿税理士会上京支部
税理士登録番号128205
税務調査案件を安価で全国対応している京都の税理士
税務調査前の自主申告期限を守るため土日祝日深夜対応を行う
これまで多くの税務調査案件を早期終了に導いてきた
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