このページを見ておられる方の中には、税務署から税務調査前に帳簿を提出してほしい、税務調査前に事業用の通帳についての情報を教えてほしいと言われて困惑された方々がおられるかもしれません。実は、税務調査前の帳簿データの提出については、専門家である税理士の間でも見解が分かれていました。しかしながら、令和8年の秋において国税庁が公式の見解を発表しました。
弊所のご相談に来られた納税者様においても実際に税務調査官から、税務調査開始前の段階である電話について「事業用で使用している口座についての情報を教えてほしい」という打診を受けた方がおられます。ぜひ、以下を参考にしていただければ幸いです。
- 結論
- 弊所が独自に保存した記録による税務調査前の帳簿提出のお願いについての公式発表までの経緯
- 改めてまとめますと以下となります
- 国税庁が「税務調査等における帳簿等データの提出依頼等に関するQ&A」を令和8年10月13日に公表しました
- Q&A問5に注目!あくまで納税者の承諾を前提に強権的に提出を求められるものではなく拒否をもって罰則はないと明言しています
- Q&A問8に注目!帳簿等の事前提出のみをもって更正の予知は発生しないと明言しています
- 現状の納税者及び税理士の防御策は「事前提出は可能な限り断り、仮に断り切れなかった場合でも調査日までの自主的な修正申告、自主的な期限後申告による重加算税回避可能性を諦めない」となります
- まとめ
- 国税庁ホームページの当該ページのリンク
- youtube動画を作成しました
結論
国税庁は税務調査前に帳簿の提出を御願いすることについて公式に発表しましたが、発表後であっても税務調査前に帳簿を提出する義務はなく、あくまでお願いという位置づけとなります。
以下で詳細を記述します。
弊所が独自に保存した記録による税務調査前の帳簿提出のお願いについての公式発表までの経緯
・令和7(2025)年6月頃、令和7(2025)年9月頃からオンライン税務調査が導入されるという「別添オンラインツールの利用等」において、業務効率化の観点から税務調査前の帳簿提出をお願いしているという資料が公表された。しかしこの資料はその後消えました。
・令和8(2026)年2月頃、弊所が所属している近畿税理士会における研修講座において、国税庁課税総括課が作成したレジュメ「調査におけるオンラインツールの活用」において、臨場による調査会愛前に帳簿データを提出した場合の実地調査の開始日はどのように取り扱うかについての言及が記述されていた。
・令和8(2026)年10月12日までは、税務調査前の帳簿データの提出については、専門家である税理士の間でも見解が分かれていた。
・令和8(2026)年10月13日において国税庁が実地調査前の帳簿等データ提出に関するQ&Aを公表した
上記のような時系列となっております。
改めてまとめますと以下となります
・国税庁が「税務調査等における帳簿等データの提出依頼等に関するQ&A」を令和8年10月13日に公表しました。
・Q&A問5:「実地の調査前の帳簿等データの提出の依頼に応じないことのみをもって罰則が適用されるものではなく、また、強権的に帳簿等データの提出を求めることはありません。あくまでも、帳簿等データの提出の依頼は、納税者等の皆様のご理解とご協力の下、その承諾を得て実施することとしております」にご注目ください。
・Q&A問8:「実地の調査前に帳簿等データを提出いただいたことのみをもって、「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しないものと考えます」にご注意ください。
・現状の納税者及び税理士の防御策は「事前提出は可能な限り断り、仮に断り切れなかった場合でも調査日までの自主的な修正申告、自主的な期限後申告による重加算税回避可能性を諦めない」となります。
・そうするとこれまでと心構えとしてはあまり変わっていないということになります。
・弊所がこれまでお伝えしてきた、調査日は保留とする、余計な質問はしない、に加えて事前に帳簿資料等を可能であれば提出しない、が加わったことになります。
以下で詳細を記述します。
国税庁が「税務調査等における帳簿等データの提出依頼等に関するQ&A」を令和8年10月13日に公表しました
弊所が税務調査について研究している中で、近年における最大の疑問の一つは以下でした。
・税務調査日までに税務調査官から帳簿資料等提出の御願いをされた場合、それは拒否できるのかどうか?
・もし仮に提出した場合の更正の予知の取り扱いはどうなるのか?
令和8年10月12日以前における弊所からのアドバイスは、
・税務調査日までに税務調査官から帳簿資料等提出の御願いは、あくまで御願いだから断っても問題ないため必ず断ってください
・税務調査日前に帳簿資料等を渡した場合はその時点で更正の予知が発生し、重加算税回避の可能性が消滅する恐れがあります
というものでした。しかしこれはあくまで弊所の研究結果による独自の見解でした。
今回国税庁は令和8年10月13日以降の取り扱いについて公式に公表したことになります。
Q&A問5に注目!あくまで納税者の承諾を前提に強権的に提出を求められるものではなく拒否をもって罰則はないと明言しています
繰り返しとなりますが、税務調査等における帳簿等データの提出依頼等に関するQ&Aの問5を引用しますと以下となります。
「実地の調査前の帳簿等データの提出の依頼に応じないことのみをもって罰則が適用されるものではなく、また、強権的に帳簿等データの提出を求めることはありません。あくまでも、帳簿等データの提出の依頼は、納税者等の皆様のご理解とご協力の下、その承諾を得て実施することとしております」
ここで弊所が推奨する文言としましては、
「税務調査日当日までに見やすく整理等して当日提示します」
というような文言が望ましいと考えます。
Q&A問8に注目!帳簿等の事前提出のみをもって更正の予知は発生しないと明言しています
繰り返しとなりますが、税務調査等における帳簿等データの提出依頼等に関するQ&Aの問8を引用しますと以下となります。
実地の調査前に帳簿等データを提出いただいたことのみをもって、「更正があるべきことを予知してされたもの」に該当しないものと考えます
また注意書きとして以下があります。
(注) 上記の回答は一般的な例を示したものであり、加算税の適用に当たっては、個々の事実関係を精査した上で判断となります。
更正の予知がいつ発生するかというのは個別の事情によるという注意書きがございます。
現状の納税者及び税理士の防御策は「事前提出は可能な限り断り、仮に断り切れなかった場合でも調査日までの自主的な修正申告、自主的な期限後申告による重加算税回避可能性を諦めない」となります
繰り返しますが、弊所のこれまでのスタンスであります、調査通知の段階でやましいことに心当たりがある場合は、税務調査日までに自主的な修正申告、自主的な期限後申告を提出し、重加算税回避の可能性を諦めない、という方針は変わらないことになります。
そうするとこれまでと心構えとしてはあまり変わっていないということになります
まとめ
弊所がこれまでお伝えしてきた、調査日は保留とする、余計な質問はしないに加えて事前に帳簿資料等を可能であれば提出しない、が加わったことになります
国税庁ホームページの当該ページのリンク
税務調査等における帳簿等データの提出依頼に関する取組等について|国税庁
youtube動画を作成しました
この記事の監修者

- 税務調査専門税理士
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プロフィール
近畿税理士会上京支部
税理士登録番号128205
税務調査案件を安価で全国対応している京都の税理士
税務調査前の自主申告期限を守るため土日祝日深夜対応を行う
これまで多くの税務調査案件を早期終了に導いてきた
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