税務調査の対象となりやすい法人の業種は

結論

・国税庁が毎年11月頃に公表する「法人税等の調査事績の概要」において不正発見割合の高い10業種という明確なデータがあります。
・上記から導いた税務調査の対象となりやすい法人の業種の圧倒的な1位はバー・クラブとなりました。
・その他の常連の業種も存在します。
・不正発見割合の高い10業種の経営者様、令和7年1月1日以後は「法人を潰して廃業すれば追徴滞納税金を免れる」は通用しません

以下で詳細を記述します。

国税庁が毎年11月頃に公表する「法人税等の調査事績の概要」において不正発見割合の高い10業種が最も確かな情報と考えます。

弊所は、平成26事務年度から令和6事務年度における、「法人税等の調査事績の概要」において不正発見割合の高い10業種のランキングをまとめて調査しました。弊所の調査結果は以下となります。

税務調査の対象となりやすい法人の業種ランキング
・1位:バー・クラブ
・2位:外国料理
・3位:その他の飲食
・4位:土木工事
・5位:美容

以下でさらに分析します。

税務調査の対象となりやすい法人の業種ランキング圧倒的1位はバー・クラブ

まず国税庁における「バー・クラブ」の定義は明確ではありません。そこで、日本標準産業分類(令和5年[2023年]7月改定)を利用していると仮定すると、「バー;スナックバー;キャバレー;ナイトクラブ」と考えられます。

弊所が、バー・クラブを1位とした根拠は以下です。

・平成26事務年度=順位:1位=不正発見割合:57.1%
・平成27事務年度=順位:1位=不正発見割合:66.3%
・平成28事務年度=順位:1位=不正発見割合:62.5%
・平成29事務年度=順位:1位=不正発見割合:66.4%
・平成30事務年度=順位:1位=不正発見割合:70.3%
・令和元年事務年度=順位:1位=不正発見割合:63.5%
・令和2年事務年度=順位:1位=不正発見割合:53.7%
・令和5年事務年度=順位:1位=不正発見割合:59.0%
・令和6年事務年度=順位:1位=不正発見割合:62.3%

まず、順位が常に1位です。令和3年事務年度、令和4年事務年度がランキング外なのは、コロナ禍であったためです。反対にコロナ禍でなければ恐らくずっと1位だったでしょう。もう1点が、不正発見割合が常に50%超えであることです。つまり、法人担当の税務調査官からすれば、バー・クラブに調査に行けば半分の確率で重加算税を賦課できるということになります。

税務調査の対象となりやすい法人の業種ランキング2位は外国料理

まず国税庁における「外国料理」の定義は明確ではありません。そこで、日本標準産業分類(令和5年[2023年]7月改定)を利用していると仮定すると、「フランス料理店;イタリア料理店;スパゲティ店;朝鮮料理店;印度料理店;カレー料理店;エスニック料理店;無国籍料理店」と考えられます。

弊所が、外国料理を2位とした根拠は以下です。

・平成28事務年度=順位:2位=不正発見割合:45.3%
・平成29事務年度=順位:2位=不正発見割合:48.1%
・平成30事務年度=順位:2位=不正発見割合:46.7%
・令和元年事務年度=順位:3位=不正発見割合:42.3%
・令和2年事務年度=順位:2位=不正発見割合:52.0%
・令和5年事務年度=順位:3位=不正発見割合:38.8%
・令和6年事務年度=順位:3位=不正発見割合:40.2%

まず、順位が常に3位以上です。令和3年事務年度、令和4年事務年度がランキング外なのは、コロナ禍であったためです。反対にコロナ禍でなければ恐らく3位以上だったでしょう。もう1点が、不正発見割合が常に35%超えであることです。つまり、法人担当の税務調査官からすれば、外国料理に調査に行けば1/3の確率で重加算税を賦課できるということになります。

税務調査の対象となりやすい法人の業種ランキング3位はその他の飲食

まず国税庁における「その他の飲食」の定義は明確ではありません。そこで、日本標準産業分類(平成25年[2013年]10月改定)を利用していると仮定すると、「大福屋;今川焼屋;ところ天屋;氷水屋;甘酒屋;汁粉屋;甘味処;アイスクリーム店;サンドイッチ専門店;フライドチキン店;ドーナツ店;ドライブイン(飲食店であって主たる飲食料品が不明なもの)」と考えられます。

弊所が、その他の飲食を3位とした根拠は以下です。

・平成29事務年度=順位:4位=不正発見割合:36.2%
・平成30事務年度=順位:4位=不正発見割合:42.7%
・令和元年事務年度=順位:2位=不正発見割合:42.9%
・令和3年事務年度=順位:5位=不正発見割合:28.4%
・令和4年事務年度=順位:1位=不正発見割合:36.2%
・令和5年事務年度=順位:2位=不正発見割合:42.3%
・令和6年事務年度=順位:2位=不正発見割合:45.2%

まず、順位が常に5位以上です。令和2年事務年度以外はずっと上位です。もう1点が、不正発見割合が常に25%超えであることです。つまり、法人担当の税務調査官からすれば、その他の飲食に調査に行けば1/4の確率で重加算税を賦課できるということになります。

税務調査の対象となりやすい法人の業種ランキング4位は土木工事

まず国税庁における「土木工事業」の定義は明確ではありません。そこで、日本標準産業分類(平成25年[2013年]10月改定)を利用していると仮定すると、「一般土木建築工事業に属さないで,主として堤防・護岸・水利・床固・山腹工事などによる河川・砂防・海岸・治山施設工事,ダム工事,各種の貯水池,用水池などの建設工事,各種の水路工事,かんがい排水施設工事,防波堤,岸壁・桟橋などの港湾施設工事,埋立工事,干拓工事,開墾工事,軌条敷設・停車場・鉄道土工・伏せどい・溝橋などの鉄道施設工事,地下鉄・地下工作物工事,ドック建設工事,高架道路・高架施設工事,橋りょう工事(鋼橋上部工事を除く),ずい道工事,水源施設・浄水施設・送水施設・配水施設などの上水道工事,下水管きょ・ポンプ施設・下水処理場などの下水道工事,道路工事,駐車場工事,飛行場・水上飛行場工事,運動競技場・競馬場・競輪場工事,宅地造成工事などのすべて又はいずれかを行うことによって,土木施設を完成する事業所をいう」と考えられます。

弊所が、土木工事を4位とした根拠は以下です。

・平成26事務年度=順位:7位=不正発見割合:26.2%
・平成27事務年度=順位:6位=不正発見割合:27.4%
・平成28事務年度=順位:6位=不正発見割合:28.9%
・平成29事務年度=順位:5位=不正発見割合:30.0%
・平成30事務年度=順位:6位=不正発見割合:28.4%
・令和元年事務年度=順位:7位=不正発見割合:30.4%
・令和3年事務年度=順位:4位=不正発見割合:28.7%
・令和4年事務年度=順位:4位=不正発見割合:28.1%
・令和5年事務年度=順位:4位=不正発見割合:31.5%
・令和6年事務年度=順位:8位=不正発見割合:30.4%

まず、順位が10年間ずっとランクインしており8位以上です。もう1点が、不正発見割合が常に25%超えであることです。つまり、法人担当の税務調査官からすれば、土木工事に調査に行けば1/4の確率で重加算税を賦課できるということになります。

税務調査の対象となりやすい法人の業種ランキング5位は美容

まず国税庁における「美容」の定義は明確ではありません。また、美容業、ではなく美容、という点にも着目します。

日本標準産業分類(平成25年[2013年]10月改定)の中分類、洗濯・理容・美容・浴場業、において、「その他の洗濯・理容・美容・浴場業」があり、ソープランド業が含まれます。

このソープランド業が順位を押し上げていると考えます。

弊所が、美容を5位とした根拠は以下です。

・令和元年事務年度=順位:10位=不正発見割合:28.3%
・令和2年事務年度=順位:3位=不正発見割合:37.5%
・令和3年事務年度=順位:7位=不正発見割合:28.0%
・令和4年事務年度=順位:10位=不正発見割合:25.0%
・令和5年事務年度=順位:5位=不正発見割合:30.8%
・令和6年事務年度=順位:4位=不正発見割合:34.5%

まず、順位が令和元年事務年度以降連続でランクインしています。もう1点が、不正発見割合が常に25%超えであることです。つまり、法人担当の税務調査官からすれば、美容に調査に行けば1/4の確率で重加算税を賦課できるということになります。

不正発見割合の高い10業種の経営者様、令和7年1月1日以後は「法人を潰して廃業すれば追徴滞納税金を免れる」は通用しません

こちらのページをご参考ください。

令和7年1月1日以後は「法人を潰して廃業すれば追徴滞納税金を免れる」は通用しません

法人で、「バー・クラブ、外国料理、その他の飲食、土木工事、美容(特にソープランド業)」を経営されておられる、経営者の皆様、くれぐれも「法人を潰して廃業すれば追徴滞納税金を免れる」というようなお考えはおやめいただきますことお願い申し上げます。

この記事の監修者

税理士 田中亨
税理士 田中亨税務調査専門税理士
プロフィール
近畿税理士会上京支部
税理士登録番号128205
税務調査案件を安価で全国対応している京都の税理士
税務調査前の自主申告期限を守るため土日祝日深夜対応を行う
これまで多くの税務調査案件を早期終了に導いてきた

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